委託管理について

2008年版で記述されていたアウトソース管理の要求は、お客様から請け負った製品の実現と納入の責任は、請け負った内容の一部を外部に委託に出したとしても、管理責任を免れるものではありませんから、管理のためにどの部署が何をしなければならないか明確にしておいてください、と規格は要求していました。これはお客様の目から見れば当然のことです。アウトソースしたから責任はないよ、と言ったらお客様は怒るでしょう。アウトソース管理には購買管理が準用されることが多いので、具体的にはシステムの購買の項で記述することが多いですが、規定は箇条4の「品質マネジメントシステム」の細箇条4.1「一般要求事項」の末尾の段落に記述されていたために、箇条7.4の「購買」の規定と関係があることが分かり難くなっていました。
ISO9001:2015では、2008年版の7箇条「購買」に対応する箇条8.4の箇条見出しを「外部から提供されるプロセス、製品及びサービス」と変更して、外部の提供者の製品・サービスを単純に購買することだけを管理するための計画だけでなく、顧客に提供する製品・サービスを実現するために本来組織が確保しなければならない製品・サービスを外部の提供者に委託して確保するための計画も対象になっていると言うことを示しています。
そして、箇条8.4.1の中で、「外部から提供されるプロセス、製品及びサービス」について
a) 外部提供者の提供する製品・サービスを購入して顧客に提供する製品・サービスに使用するケース、
b) 多くの商社行為のように外部提供者から購入した製品・サービスが直接顧客に引き渡されるケース、
c) 顧客に提供する製品・サービスまたはその一部に使われる製品・サービスを実現するためのプロセスを外部提供者に求めることを決定して、製品・サービスの実現を委託するケース、
の三つのケースに分けて、それぞれに適切な管理の方式と程度を策定するように求めています。
なお、顧客に提供すべき製品・サービスを実現するために必要な製品・サービスを、同一組織内の、システムの適用範囲にない他の部署に委託する場合も原則的には同様の管理を適用しなければなりませんが、顧客に対して、適用範囲内の指定された部署が委託元としてきちんと管理していることの説明責任を果たせる限り、管理の方式と程度を状況に応じて調節することは可能でしょう。

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