ISO50001への取り組み

 

1.ISO50001発行の背景と狙い

ISO50001:2011は、各事業所でエネルギーの効率、使用及び消費量を含むエネルギーパフォーマンスを改善するために必要なシステム及びプロセスの確立を可能とすることを目的に作成されたマネジメントシステム規格で、2011年6月15日にISO50001:2011が発行され、10月20日にJIS化されました(JIS Q 50001:2011)。

日本では2度にわたるオイルショックを経て、エネルギー使用効率の大幅改善のため、1979年に「エネルギー使用の合理化に関する法律(省エネ法)」が制定されました。現在では、14,000箇所以上の特定事業者、特定連鎖化事業者が省エネ法に基づくエネルギー管理を実施し、その結果、この30年間で37%のエネルギー効率の改善を達成しています。

この規格の開発の必要性が言われ始めた2007年頃は、世界的に原油をはじめとするエネルギー価格の急激な高騰や、深刻な地球温暖化問題が顕在化し、省エネルギーが喫緊の課題としてクローズアップされた時期にも当たります。一方、各国及び企業は独自の省エネルギー、エネルギー効率向上に関する法規制や規格を制定、実施してきましたが、事情の異なる各国の法規制や規格では、国際的な相互運用が困難なために、国際間のエネルギー管理の効率的な運用を目的としたマネジメントシステム規格の必要性が認識され、2007年11月にアメリカとブラジルが共同提案し、2008年2月に賛成多数でISO50001の開発が開始されました。

 

 

2.ISO50001を適用することによるメリット

ISO50001をより有効に活用すればエネルギーコスト削減が行い易く、ISO14001などの他のマネジメントシステムの効果と相まって、企業収益へより大きな直接的な効果が期待できます。また、ISO50001の世界的な導入により、エネルギー効率化に関連するビジネスが活性化する可能性があり、省エネ製品の輸出やサービスの提供に活かすことも期待できます。

既存のマネジメントシステムを導入していない企業、あるいは省エネ法が適用されていない企業にとっては、ISO50001を適用することによって、エネルギーの体系的な効率の改善のみならず、業務全体の継続的改善の体系的な仕組みを組織内に構築する良い機会となる可能性があります。また、省エネ法が適用されている企業でも、ISO50001の求める詳細なエネルギー使用量の体系的な把握により、従来の手法では改善の機会に関する分析が不充分であったことが気付くこともあり、省エネ法と一体で実施することにより効果的なエネルギー管理が期待できます。

まとめますとISO50001の導入により次のメリットがあります。

①       エネルギーパフォーマンスの改善

②       エネルギーコスト及びGHG排出量の削減

③       従業員のエネルギーに関する意識向上

④       エネルギーの効率的使用、競争力の強化

⑤       組織活動の全社的体系化と透明化

⑥       社会的信頼の向上

⑦       企業のイメージアップ

⑧       法令順守(コンプライアンアス)の推進

⑨       エネルギーリスクの低減

⑩       品質、環境など、他のマネジメントシステムとの統合が可能

 

 

3.ISO50001の特徴

1.トップマネジメントの責任を明確にすることを求めています。 

2.組織におけるエネルギーの使用に適用され、他のマネジメントシステムと異なりパフォーマンス(エネルギー)の改善を進められます。従って、エネルギーパフォーマンスの改善に重点が置かれています。

3.エネルギーの使用、使用量を把握し、季節変動要因、生産量、原料性状、製品品質などの外的要因(関連変数)を用いて分析することを求めています。これはJIS Q 14001:2004にはない具体的要求事項で、目的・目標の達成状況を評価可能としています。

4.「適用範囲」と「境界」の概念により比較可能性を確かにしています。

5.その他の特徴

 ・「緊急事態」に関する要求事項はありません

 ・改善提案制度の確立が要求事項となっています

 ・パフォーマンス重視など、マネジメントシステムの実効性を求めています。

 

 

 

4.ISO50001の概要

ISO50001:2011は、方針の設定、エネルギー使用に関するレビューと改善目標の設定、文書化や文書管理、力量・教育訓練、内部監査、マネジメントレビューなど、ISO9001やISO14001と多くの共通点をもっていますので、これまでISOマネジメントシステムに取り組んできた事業所にとっては取り組みやすい規格構成となっています。以下にISO50001:2011の概要を記述します。

4.エネルギーマネジメントシステム要求事項

4.1 一般要求事項

EnMSの適用範囲と境界を定め文書化することを求めていて、「エネルギーパフォーマンスとEnMSの継続的改善を達成するために、この規格要求事項をどのようにして満たすかを決めること」が求められています。「適用範囲と境界を定める」とは、事業所全体のうち、EnMSを適用する組織、敷地又はプロセス等と適用しない組織、敷地又はプロセス等を組織図又は配置図などを用いて明確にすることを求めています。

4.2 経営層の責任

ISO14001:2004では、経営層の責任は「4.4.1 資源、役割、責任及び権限 」に記述されていますが、ISO50001:2011では「4.2 経営層の責任」として単独の項を設けています。「経営層の責任」を強調していると解釈されます。

4.2.1 トップマネジメント

トップマネジメントの役割が具体的に10項目にわたって列挙されています。

4.2.2 管理責任者

管理責任者が8項目の事項を行うために、トップマネジメントが責任と権限を持たせます。その中に、トップマネジメントが設置を承認したエネルギーマネジメントチームメンバーを指名等すること、エネルギーパフォーマンス及びEnMSのパフォーマンスをトップマネジメントへ報告すること等が含まれます。

4.3 エネルギー方針

エネルギー方針は組織が決めた適用範囲における組織のEnMSとエネルギーパフォーマンス両面で実施と改善の推進力となるようにトップマネジメントが決めなければなりません。

エネルギーパフォーマンスの継続的改善、目的及び目標を達成するために必要な情報と資源の利用及び法的要求事項とその他の要求事項の順守のコミットメントを含めることが必要です。ISO14001では方針の外部へ公表することを要求していますが、ISO50001では公表の義務は規定されていません。

4.4 エネルギー計画

4.4.1 一 般

「4.4 エネルギー計画」について総括的な位置付けを明確にしたエネルギー計画立案プロセスの明確化の文書化(記録)を要求しています。ISO50001:2011 付属書 図A-2にはエネルギー計画のインプットからアウトプットまでのプロセス概念図が記載されています。

4.4.2 法的要求事項及びその他の要求事項

エネルギーの使用、エネルギー使用量、エネルギー効率に関する法的及びその他の要求事項を特定することが必要です。法規制では、省エネ法及び関連する規則類、地球温暖化対策の推進に関する法律、電気事業法(第27条 節電に関する強制力があります)など、条例では、例えば、東京都環境確保条例、埼玉県生活環境確保条例(いずれも、温室効果ガス排出量削減と排出量取引制度)、都道府県のエネルギー使用量報告義務などがあります。

ISO14001と同様に、法的及びその他の要求事項を「エネルギーの使用」、「エネルギー使用量」、「エネルギー効率」にどのように適用するかを決定する必要があります。

4.4.3 エネルギーレビュー

「エネルギーレビュー」という日本人にはなじみのない言葉が使われていますが、環境側面の特定と同様に、使用しているエネルギー、エネルギーを使用している設備・プロセス、エネルギー使用量を特定、分析、評価し、「著しいエネルギーの使用」の領域を決定することを意味しています。「著しいエネルギーの使用」は「著しい環境側面」に相当する概念ですが、ISO14001と違うところは、多量のエネルギーを使用している他に、エネルギーパフォーマンスの改善の可能性が高いことも「著しいエネルギーの使用」に含まれます。

決定した「著しいエネルギーの使用」に対して、エネルギーパフォーマンスを改善する方法を決定し、実施する優先度を決め記録(文書化)しおく必要があります。

エネルギーの使用、使用量及びエネルギー効率は、外的な変動要因(気候、プラント稼働率、原料品質、設備、製品品質、要員の熟練度など)の影響を受けていることが多く、測定した値がそのままエネルギーレビューに使用できるとは限りません。ISO50001ではそのような変動要因を「関連変数」と呼んでいますが、「関連変数」を用いて測定した値を補正してやる必要があります。エネルギーの使用、使用量及びエネルギー効率と「関連変数」の相関関係を把握することが重要です。

エネルギーレビューはエネルギーの使用、使用量及びエネルギー効率の変化が発生する都度及び定められた間隔で見直すことが要求されています。

4.4.4 エネルギーベースライン

「エネルギーベースライン」は、見慣れない言葉かもしれません。初回のエネルギーレビューの情報を用いてエネルギーベースラインを設定しなければなりません。

エネルギーベースラインは、測定したエネルギーパフォーマンスの比較のために設ける定量的な基準です。エネルギーパフォーマンスとの比較に際しては、4.4.3 で導入した「関連変数」を用いて正規化(補正)する必要があります。

規格で定められた事象が発生した場合、エネルギーベースラインは調整(見直し)しなければなりません。このうち「あらかじめ定められた方法」という記述がありますが、これは省エネ法との整合性を確保するために適用することになります。

4.4.5 エネルギーパフォーマンス指標

「エネルギーパフォーマンス指標(EnPIs)」もパフォーマンス重視のISO50001らしい概念です。エネルギーパフォーマンスを評価するうえで、意味のある定量的なEnPIsを決定しなければなりません。エネルギーパフォーマンス指標に影響を及ぼす事業活動により変更があれば、変更する理由を記録しておく必要があります。

省エネ法では、エネルギー消費あるいはエネルギー消費原単位という用語を使用しています。

4.4.6 エネルギー目的、エネルギー目標及びエネルギーマネジメント行動計画

基本的にはISO14001:2004 「4.3.3 目的、目標及び実施計画」と大きな変わりはありません。

ISO50001:2011 「3.17 エネルギー目標」は「目的に合わせて設定される詳細、かつ、定量的なエネルギーパフォーマンス要求事項」とし、「定量的」であることが要求されています。エネルギーパフォーマンス自体が「測定可能」であることから「定量的」なのは当然であるかも知れません。

付属書A4.6 には、目的、目標はエネルギーパフォーマンスの改善に重点を置いた行動計画に加えて、全体的なEnMSの改善の達成に重点を置いた行動計画があってもよいとしています。この場合は必ずしも「定量的」である必要はないでしょう。

ISO14001の「実施計画」に相当する「エネルギーパフォーマンス行動計画」には、手段、日程、責任の他に「エネルギーパフォーマンスの改善を確実に検証するための方法」と「結果を検証するための方法」の2項目が追加されています。前者はエネルギーパフォーマンスの改善に重点に置いた技術的計画、後者はマネジメントが検証する仕組みに重点を置いた行動計画を予め記載しておくことが要求されているものと解釈されます。

4.5 実施及び運用

4.5.1 一 般

計画策定プロセスによって得られたアウトプットを実施及び運用に使用し、PDCAサイクルが確実に廻ること要求しているものです。

4.5.2 力量、教育訓練及び自覚

基本的にはISO14001の要求事項と変わりはありません。4.4.3で特定された著しいエネルギーの使用に関連する人々が、適切な教育、教育訓練、技能及び経験に基づく力量を持っている必要があります。また、著しいエネルギー使用のパフォーマンス改善(例えば、エネルギー改善スタッフ又は管理者)及びEnMSの運用(例えば、EnMS事務局)に関連する人々に必要なニーズ(例えば、省エネ技術、省エネ法の知識)を明確にし、教育訓練又はその他の処置をとることが要求されています。教育訓練の適切な記録も維持する必要があります。

自覚教育については4項目に分けて具体的に示しています。但し、手順の要求事項はありません。

4.5.3 コミュニケーション

コミュニケーションには内部コミュニケーションと外部コミュニケーションがあります。内部コミュニケーションは必須事項であり、外部コミュニケーションは必要に応じた組織の裁量事項として規定されています。

内部コミュニケーションには、組織で働く人々からの組織のEnMSに関してコメント又は改善提案制度を構築することが求められています。コメント又は改善提案をどのように処置するかを予め定めておくことも必要かと思います。

外部コミュニケーションの対象は、ISO14001は「著しい環境側面」に限定されていましたが、ISO50001では、エネルギー方針、EnMS及びエネルギーパフォーマンスに対象が拡大されています。

4.5.4 文書化

4.5.4.1 文書化要求事項

ISO50001では直接的にマニュアルの作成の要求はありませんが、「EnMSの核となる要素及びそれらの相互関係」の記述が要求されており、これが実質的にマニュアルを必要とします。必須の文書としてa)EnMSの適用範囲及び境界、b)エネルギー方針、c)エネルギー目的、目標及び行動計画で、その他にd)この規格が要求する、記録を含む文書、e)組織が必要と定めたその他の文書、があります。

*記録については4.6.5を参照願います。

4.5.4.2 文書管理

ISO50001で手順を要求しているのは、この「文書管理」のみです。要求される「文書管理」の手順はISO14001:2004、ISO9001:2008と変わりはありません。

4.5.5 運用管理(オペレーション管理)

基本的にはISO14001:2004 4.4.6要求事項と変わりはありません。著しいエネルギーの使用に関する設備、プロセスなどが効果的にエネルギーパフォーマンスを発揮できるように運用及び保守活動の基準を確立し実施することが求められています。

ISO14001では、製品、サービスの供給者、請負業者等に運用管理に関する要求事項を伝達することが要求されていますが、ISO50001ではこの要求事項は「4.5.6 設計」と「4.5.7 エネルギーサービス、製品、設備及びエネルギーの調達」で取り上げています。

ISO50001ではISO14001:2004 4.4.7のような緊急事態に関する要求事項はありません。しかし、本項の注記において、エネルギー供給が途絶える、価格が高騰する等の緊急事態への対応をEnMSの運用面で考慮する必要があることを述べています(但し、これは規格要求事項ではありません)。

4.5.6 設 計

ここでいう「設計」とは、製品の設計ではなく、施設、設備、システム及びプロセスの設計のことで、「行動計画」によって新設、改造及び改修を行う際の設計のことです。設計に当たっては、オペレーションにおけるエネルギーパフォーマンスへの影響を考慮しなければならないのは当然のことです。

エネルギーパフォーマンスを考慮に入れた設計の結果は、プロジェクトの仕様書、設計、購買活動に反映させなければなりません。

4.5.7 エネルギーサービス、製品、設備及びエネルギーの調達

調達はエネルギーパフォーマンスと関係がある場合が多いので調達品の金額、使用、納期だけでなく、エネルギーパフォーマンスも評価項目に加えて行わなければならず、そのことを供給者に伝達し、エネルギーパフォーマンスの良いものを提案し、調達することが要求されています。

エネルギーパフォーマンスに著しい影響を及ぼすことが予想されるエネルギー使用製品、設備及びサービスを購入する場合は、エネルギーの使用、使用量及び効率を評価する基準を設定し実施します。この場合、使用期間等の評価の期間を設定して評価する必要があります。

該当する場合は、エネルギー仕様書を規定し、文書化することが要求されています。

 

4.6 点 検

4.6.1 監視、測定及び分析

エネルギー消費量は定期的に測定することが必要ですが、少なくとも5項目の特性を挙げ「あらかじめ定められた間隔で監視し、測定し、分析すること」によってエネルギー管理のPDCAを廻すことを要求しています。

ここでは、単に監視・測定するだけでなく、生産量、季節的要因、品種などの「変数」の測定等を用いて分析し、外的要因を除いた真の特性値を監視・測定しなければなりません。エネルギーレビューで予想したエネルギー使用量または設計値と実績値の差異の評価(分析)も求められています。このような監視・測定結果は、記録しなければなりません。

「適切なエネルギー測定計画を定め、実施すること」はISO14001の「監視するための情報を文書化」することに通じるもので、ISO50001でもエネルギー計画の一部として計画することが必要です。

「測定のニーズを定め、(ニーズを)定期的にレビューしなければならない」とは、設備変更などによって挙げられている項目以外にも必要の測定があるかもしれないので、測定の必要性を定期的に見直すことが必要でしょう。

エネルギーパフォーマンスの著しい逸脱があれば、調査し対応しなければなりません。ここでは是正処置・予防処置までは要求していません。

4.6.2 法的要求事項及びその他の要求事項に対する順守評価

要求事項はISO14001と大きな違いはありません。

EnMSにおける順守評価で対象となる法令の第一は省エネ法です。省エネ法では、全ての事業所に対してエネルギー使用量の把握、判断基準の順守(管理標準の設定と省エネ措置の実施)を行うとともに中長期的にみて年平均1%以上のエネルギー消費原単位の低減に努めることが規定されています。特定事業者(又は特定連鎖化事業者)に対しては、これに加えて、エネルギー使用状況届出書の提出、エネルギー管理統括者等の選任、中長期計画書・定期報告書の提出が義務付けられています。

4.6.3 EnMSの内部監査

監査目的として、「計画された取決め事項に適合していること」、「目的と目標に適合していること」、「エネルギーパフォーマンスを改善していること」を明確にしています。エネルギーパフォーマンスの改善がこの規格の最大の狙いという特徴が表現されています。ISO14001では「監査プログラム」としているものを、ISO50001では「監査の計画とスケジュール」と表現し、わかりやすくしています。

4.6.4 不適合に対する修正、是正処置及び予防処置

基本的にはISO14001と変わりはありませんが、表題を見ての通り「修正」という言葉が追加されています。「修正処置」は不適合を除去するための処置(3.3)に対して、「是正処置」は検出された不適合の原因を除去するための処置(3.4)なのですが、組織によってはこれが混同して使用されていることもあり、ISO50001では規格要求事項の中で明確に使い分けたのでしょう。

是正処置及び予防処置は、「問題の大きさ及び生じたエネルギーパフォーマンスの大きさに見合ったものでなければならない」ことが要求されており、この規格がエネルギーパフォーマンスに重点を置いていることが窺えます。

4.6.5 記録の管理

ISO14001では「記録の識別、保管、保護、検索、保管期間及び廃棄の手順を確立」することを要求していますが、ISO50001では「手順」ではなく「管理」を定め、実施することを要求しています。表現の違いはありますが、実質的には同じです。この規格で要求されている記録は下記の通りです。

規格箇条

記録の内容

4.4.3

エネルギーレビュー全体

4.4.3

エネルギーパフォーマンス改善の機会の優先度

4.4.4

エネルギーベースライン

4.4.5

EnPIsの決定と更新する方法

4.5.2

著しいエネルギーの使用に関連する力量、教育訓練のニーズ、教育訓練又はその他の処置

4.5.4.1

この規格が要求する、記録を含む文書

4.5.6

設計活動の結果

4.6.1

鍵となる特性の監視及び測定の結果

4.6.1

校正並びに正確性及び再現性を確保するためにとられるその他の方法

4.6.2

順守評価の結果

4.6.3

監査の結果

4.6.4

是正処置及び予防処置

4.6.5

本要求事項

4.7.1

マネジメントレビュー

 

4.7 マネジメントレビュー

4.7.1 一 般

付属書A7.1には、「EnMSの全ての構成要素をまとめてレビューする必要はなく、またレビュープロセスは、ある期間にわたり実施してもよい」とし、マネジメントレビューは組織が定めた期間内の範囲で全ての規定された事項を実施すれば良いとしています。

4.7.2 マネジメントレビューへのインプット

ISO14001に規定しているインプット事項と概ね同じですが、ISO50001の特徴的な項目を下記に示します。

方針のレビュー:ISO14001にはインプット事項としての規定はありませんでしたが、エネルギーに関わる状況は刻一刻と変化しており、方針も適切に表現されているかをレビューすることが求められています。

エネルギーパフォーマンス及び関連するEnPIsのレビュー:設備や生産品目の変更によるEnPIsが適切であるかをレビューします。

次期に向けて計画されたエネルギーパフォーマンス:次年度事業計画には必須項目であり、通常、トップマネジメントに報告される項目でしょう。

4.7.3 マネジメントレビューからのアウトプット

アウトプットはISO14001と大きな違いはありませんが、トップマネジメントレベルでのエネルギーパフォーマンス、EnPIs、資源配分の変更指示が追加されており、エネルギーパフォーマンスを重視している特徴が見えます。

 

 

 

5.省エネ法との関係

省エネ法は、エネルギーを原油換算で年間1,500kℓ以上消費する事業者に強制適用され、中長期的に見て年1%以上のエネルギー消費原単位改善の義務を負う法令です。一方、ISO50001はEnMSを構築しエネルギー消費量を削減しようとする全ての組織に適用が可能なように構成されています。いずれにしても、エネルギー効率、使用及び使用量を含むエネルギーパフォーマンスを改善しようとする目的は共通しています。

省エネ法では、具体的技術・数値基準(判断基準)を事業者が自主的に設定し、その判断基準を順守することが義務付けられています。一方、ISO50001では科学的根拠に基づいて省エネ対象設備の選定をし、その判断基準を設定し、実施し実施結果の監視・測定及び調査・分析し、更にはこれらのPDCAを回すことが求められています。このようにして、省エネ法が適用されている事業者においても、ISO50001と一体で実施することにより効果的な省エネルギー活動の展開が期待できます(省エネ法とISO50001との融合効果)。

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