ISO14001:2015改定の狙い

2015年4月にフランクフルトで開催されたIAF/TC会議で、ISO14001の今次改正を審議したTC207/SC1議長のウオリス女史(LRQA)が語っていた、ISO14001:2015で取り上げた以下の7項目の主要なポイントは、ISO14001:2015の理解に大きなヒントを与えている。

1.戦略的な環境マネジメント

戦略上の計画策定プロセスの強調を増やし、そのために、組織の状況を理解する要求事項を新設して、組織と環境両方の利益になる機会を識別して、そして利用することを目指す。これによって、利害関係者のニーズと期待、及び、組織に影響を与える、あるいは影響を与えられ得る地元、地域、あるいはグローバルな環境の状態に関係する課題あるいは変化している状況を取り上げて、もし優先して取り組む必要があると特定されるなら、悪いリスクを和らげ、あるいは有益な機会を活用するための行動をEMSの計画策定に統合するようにさせている。

2.リーダーシップ

組織の中で環境マネジメントを推進するリーダーシップを発揮する役割にある人たちに特定の責任を割り当てることを要求する箇条を新設した。

3.環境の保護

環境を損害と劣化から守るための、組織の状況と一致した前向きのイニシアティブをコミットする組織への期待が拡大された。規格条文には「環境を保護する」ことは定義していないが、汚染の防止、持続可能な資源の使用、気候変動の適応、生物多様性と生態系の保護、などを含みうることを述べている。

4.環境パフォーマンス

継続的な改善について今回は環境パフォーマンスの改善として強調しており、組織の方針のコミットメントと一貫していることが求められていることに注意する必要がある。

5.ライフサイクル思考

製品の使用と終末処理あるいは廃棄と結びつく環境インパクトへ管理とその影響を及ぼすことが必要である。ただし、これはライフサイクル評価をするという要求を意味するものではない事に注意しなければならない。

6.コミュニケーション

外部、内部のコミュニケーションの重要さを同じくするコミュニケーション戦略を目的として、組織の管理の下で働いている人々が、 EMS を改善することについての提案をするためのメカニズムを確立する一貫した、そして信頼性が高い情報を伝達することについての要求を行っている。
外部的に伝達する決定は組織のためであるが、しかしそれは規制機関が必要とする情報の報告と他の利害関係者の期待の両方を考慮に入れる必要があることに注意が必要である。
これらのことは、序文にあるPDCAの説明をおこなっている図1に表されている。

7.文書化

「書類」と「記録」という用語の代わりに「文書化された情報」という用語が使われることになる。ただし、いつ「手順書」が効果的なプロセス管理を確実にするために必要とされるかを決定することの柔軟性を維持する ISO9001 と足並みをそろえている。

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