社内標準化と社会標準化の違い

標準化とは

 標準化とは、“標準”、すなわち、「関係する人々の間で利益又は利便が公正に得られるように,統一・単純化を図る目的で定めた取決め」を設定し,これを組織的に活用する行為を指します。

従来は社内標準化に着目が

従来、日本では標準化を工場の品質管理目的に進めてきた傾向があります。日本規格協会発行の品質管理便覧を見ると、工場の品質管理のツールとして社内標準化を普及・推進することが大切だと言っています。「統計的品質管理が導入される以前の製造部門の標準化は、どちらかというと生産量を確保するための作業研究の結果によるものが多かったが、統計的品質管理の導入が始まると、製造現場で作られつつある製品の品質変動を把握するためには製造部門における品質を考慮した徹底した標準活動の必要性が起こってきた。しかし、必要な標準を設定し、その標準を使用して生産活動が行われ、必要があれば改訂をしてゆくという組織的行為が我が国の製造現場に根付くには非常に長い時間がかかった。」と記述されています。おそらく完全に根付くと言うのは難しかったのではないでしょうか。また、同書は「一般に、企業内で使われる標準は物品に関係する対象、基本的な事項は規格と呼ばれることが多く、製造現場の作業や事務などの人の動作をとりあげている場合は標準、また、企業内で行われている種々の業務については規定としてまとめられている場合が多い。」と、言葉の説明をしています。このような社内標準化の事例としては、設計規格、製図規格、製品仕様書、材料仕様書、工程作業標準、検査規格、包装規格など社内規格のほか、経営方針管理規定、研究管理規定、新製品開発規定、設計管理規定、等々があげられます。

社外標準化に焦点が移って

これに対して、「関係する人々」を利害関係者と捉えて、利害関係者の間の公正な利益、便宜を目的にする標準化は社会標準化とも呼べるもので、もはや製造部門を中心に考えるものとは全く異なります。市場のグローバル化で社外標準が国際間の標準化に進んできました。この、標準化の活動は、製品の利用者、競合企業も含む利害対立する関係者の間を調整して進めていく必要があり、製造部門を離れて、企業の事業収益への影響と市場の要求とを考慮して決定しなければなりません。

国家標準化と国際標準化

社会標準を「関係する人々」の広がりで考えると、国際標準、国家標準、団体標準、などの種類があると日本では言われています。この中で、団体標準は、業界標準化団体や、ASME(アメリカ機械学会)やASTM(アメリカ材料試験協会)標準などの標準化団体が該当すると言われ、ANSI(アメリカ規格協会)、DIN(ドイツ連邦規格協会)やJIS(日本工業規格)は国家標準化機関に分類されています。しかし、ANSIもDINも非営利の任意民間標準機関であり、国を代表することをその他の標準化団体が認めているだけで、団体標準化機関と変わるものでありません。JISを制定するJISC(日本標準調査会)は工業標準化法に基づいており、西欧先進国と異なった国家行政関連機関の性格を持っていて、産業奨励的な性格を欧米より持っていることに留意しなければなりません。いずれにしても、国家標準は産業奨励的な色彩を持つことがあっても、国際標準では産業奨励的な色彩がほとんど入る余地はありません。
なお、これとは別に、国民の保安、安全、衛生に必要なものは法規などの規制などに定められるものがありますが、ここでは触れないでおきましょう。

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