日本のマネジメント活動の歴史

日本的なボトムアップ式マネジメント

日本企業ではこれまで伝統的に現場主義が強く、品質向上、納期短縮、コスト削減といった、どちらかといえば日常業務の小さな改善に多くの注意が注がれてきました。「塵も積もれば山となる」と唱えて、改善の努力を一貫して粘り強く推進していくことが、まさに戦略的であるとされました。会社は現場が動かしている、というような理解が一般的で、マネジメントは現場の活動の邪魔をしないことが大切だという認識さえもありました。1980年代に”Kaizen”なる和製英語が登場し、英語の辞書に取り込まれるなど、一世を風靡しました。

国際競争が要求するトップイニシアティブ

しかし、今にして思えば、Kaizenだけで大きな成果が上げられたのは、これが先進欧米産業に追いつくことを目標にした戦後のキャッチアップ路線の追求に適していたからです。しかし、キャッチアップが終了してグローバル競争のフロントラインに立ってみたときに、日本の産業を取り巻く環境が様変わりをしました。企業のリストラ、リエンジニアリングの進行によって定年前に長年勤めた職場を離れる人が増えて、現場主義を支えてきた終身雇用制が終わりを告げました。労働の流動化が進むと共に、能力主義、成果主義を採用する企業が増加し、また、新人類、新々人類と言われる人たちが能力主義、成果主義の職場を移動するようになりました。そして、経済規模が世界第二位となると共にグローバル競争が厳しくなり、環境条件も厳しくなって、グローバル戦略やM&A戦略がそうであるように、必要な戦略自体の内容がかつてよりはるかに複雑化、大規模化、高度化し、随伴するリスクが大きくなっていきました。気がつけば、マネジメントが現場を動かすと言う、欧米がやってきた当たり前の原則を実践しなければ生き残りが怪しくなっていました。マネジメントによる戦略の制度化の必要性は今後高まることはあれ低下することはないと思われます。ISO9001は、その制定には日本も参画して来ていますが、基本は欧米のマネジメント理論を基礎に作られています。従って、ISO9001をマネジメントに与っている方々が理解し、実践することが、日本の企業組織運営のグローバル化を進めていく助けになると思います。

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