公式組織と非公式組織

公式組織

企業経営組織論を読むと、人が二人以上集まって共通目的を共有した集団を作るとき、その集団は公式集団と非公式集団の二つの性格が混在する、ということが指摘されていることがわかります。ISO9000の3.3.1の組織の定義の参考2. に「組織は,公的又は私的のいずれでもあり得る」と記述されています。公式集団はある一定の公に認められた方針、規則、ルールに基づいて作られたもので、公式組織(フォーマル・オーガニゼーション)あるいは単に組織と呼ばれます。これは、例えば次図に示す指示、報告の系統を示す組織図と、担当任務の記述書から成り立ちます。


組織図1
組織図1が示しているように、「責任、権限、相互関係の取決めは秩序だっています(ISO9000、3.3.1項参考2)」。

非公式組織

これに対して、非公式組織(インフォーマル・オーガニゼーション)とも呼ばれることがある非公式集団は公式組織の構成員の内で自然発生的、自生的に生まれたものです。必ずしも責任、権限、相互関係の秩序だった取り決めがあるわけではないですから、組織の定義には当てはまりませんが、個人の情感や価値観をもとにした集団で、時として集団的怠業を引き起こしますが、特に日本では企業の業績を上げるのに非公式集団の存在を重視しています。ただし、顧客やその他の利害関係者との公式の仕事をするためには、公式組織を使うことが原則であり、非公式集団でこれを実施するのは適切ではありません。ところが実際には、例えば、ISO9001適合性審査のための品質マネジメントシステムの組織を、上にある本来の公式組織を無視して、組織図2のような組織をBさんの承認下で描いて品質組織と説明しているケースがあります。組織図1で示す公式組織では、BさんはGさん、Hさんには指示、命令を行使する権限を持っていません。またGさん、Hさんは、Cさん以外からの指示、命令を受け取ってはならないのが原則です。従って、このような非公式組織をBさんが勝手に描いては、本来の公式組織を曖昧にして、経営のための組織を崩してしまうことになりかねません。もしこのような組織を使うことが必要であれば、Aさんの承認を取って、非公式組織を公式組織に転化することが必要になります。Cさんの同意を取れば良いではないかと考えられるかも知れませんが、このような組織の変形をすることがBさん、Cさんの任務に責任をもっているAさんの考え方に合うかどうか分からないから、Cさんの同意だけでは充分ではないのです。


組織図2

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